本場アメリカからの輸入やセラピスト自身による手作りの苦労を解消したのが「あそぼう工房」の感覚統合遊具でした。特に創始者のジェフ・ロビンスは放射状均一張力のトランポリンを、全国各地の療育施設、発達支援センターや保育所で実践指導をしながら普及活動を実践してきました。
その永年にわたる発達をうながす実践の積み重ねを記録したのがこの「トランポリン療育」です。
トランポリンから得られる抗重力刺激が固有受容覚(固有感覚)、前庭覚(平衡感覚)そして触覚(原始系)を整理して楽しく遊びながら発達に寄与することを解き明かします。あわせて作業療法や保育現場そして家庭における実践記録、発達障害や身体障害のある子どもたちの発達の記録、セラピーでの具体的なノウハウまで幅広い分野でそのまま使える事例がふんだんに紹介されています。
感覚統合療法の創始者、A・ジーン・エアーズが提唱した楽しくきらきら輝く子どもの成長にトランポリン療育をご活用ください。このガイドブックは、放射状均一張力のトランポリンが、子どもの発達支援にとって価値ある媒体となる可能性を数多く秘めた器具であることを理解していただくために作られました。 またこのトランポリンが、身体や知的機能の障害をもつ子ども達に対してどのように利用可能か、具体的な指導の考え方をお伝えしようとするものです。このすばらしい器具が、多くの施設や学校、家庭で使われ、子ども達の発達に貢献できることを願っています。
出版社 : 一般社団法人発達支援協会 発売日 : 2021/10/31 頁 : 84ページ サイズ：A4
Jeff Robbins
物の世界に体をあずけ、自分と物が一体になれたとき。
ちょっと前まで手ごわい相手だった重力が自分の配下になったとき。
自分の体が思いどおりに感じたとき。
子どもはもう、まわりの力に押しやられた弱虫なんかじゃない。
思いきり世界に働きかけることができるんだ。
いっぱい、いっぱい生きているんだ。
アンナ・ジーン・エアーズ（1920～1989。作業療法士として発達心理学・教育心・理学の分野で、自閉症者・発達障害者などにみられる感覚統合障害を研究。感覚統合療法の創始者）
The child's sense of fulfillment radiates as she experiences herself interacting effectively with the world of objects, or as she pits herself against gravity and finds it not quite the ruthless master it was a short time before, or as her body brings her satisfying sensation. She no longer is the impotent organism shoved about by environmental forces: she can act effectively on the world. She is more of a whole being. A. Jean Ayres
ジェフ・ロビンス
＝目次＝
はじめに「放射状均ー張力」について
トランポリン体験
下方からのー定の抗重力刺激
全身への振動
正中指向性
重力に逆らった垂直方向に向かう伸展運動
姿勢反応の乱れ
低筋緊張
目、頭、体の安定の仕組み
ボディーイメージ
エネルギーを繰り返し使う
現場からの実践レポート
作業療法士から
盲学校の幼稚部から
特殊学級から
通園施設から
おもちやライブラリーから
自宅のトランポリン
特殊な障害
脳性麻庫：圧力と吸収
ダウン症：姿勢と体重
視覚障害：身体の知恵
自閉症：身体と心のバランス
体の障害が重い子ども：感覚体験
レット症候群：ストレッチ＆コンプレッション
セラピーに活用する方法
体験への熱意
リバウンドに力を加える
上体を支えること
観察と評価
トランポリンを通してコミュニケーション
圧力と吸収のサイクルを生かす
ジャンプができる子どもの活動
ふれあい遊びが発生
障害をもつ子どもができるゲーム
遊具選択／内的推進力に従う
母子療育
